ハワイではじめての出産・育児記録

2017年6月ハワイにて出産しました。妊娠発覚前から妊娠中の体調心境の変化、ハワイでのベビーグッズの準備、産婦人科のことや出産のことを綴ります。(ただ今過去を振り返りながらこれまでの経過などを更新している最中です。)

出産の記録③~カピオラニ病院の熟練母乳トレーナー~

産後の入院中、たしか3回くらい(看護師さんの指導も含めるともっと)母乳トレーナーの授乳指導がありました。今思うとこれはけっこう重要なことで、初産婦にとって指導なしに授乳することはとっても大変なことだということに気づきました。

 日本では産婦人科などで妊娠中から教室があるんですかね。私が日本で通っていたクリニックでは妊娠中期から母乳のためのマッサージをするようマッサージ方法の書かれた紙をいただきました。 たしか教室も(私はすでにハワイに戻っていましたが)日程が書かれていた気がします。

日本は母乳信仰が熱いので産婦人科以外でも母乳外来やマッサージ教室、そして母乳育児推奨の産婦人科ですとスパルタ母乳トレーナーに指導を受けたりと母乳育児に関してはおそらく指導してもらう機関や情報を集めることが容易だと思います。

ハワイ、アメリカも近年母乳育児が熱いようで、カピオラニ病院はまず産後に専門のスタッフさんがカウンセリングをしてくれます。赤ちゃんはどのように育てるか。母乳のみ?混合?ミルクのみ?

私は、混合で!と答えました。

すると病院からたくさんの母乳育児セット?!が無償提供されました。

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「Ameda」の手動搾乳キッド、電動搾乳器にも接続可能。

「Ameda」の搾乳機サイズ違いのキッド。

赤ちゃんを哺乳瓶に慣れさせないため、ミルクをあげる注射器のようなものとカップ。

「Medela」の乳首保護シリコン。

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「Lansinoh」の乳首保護クリーム。

まず大切なことはたくさんの栄養や免疫のある初乳(産後にはじめて出る母乳)を与えること。産後すぐにたくさん母乳が出る人はなかなかいないらしく、搾乳機で搾り取られる形で初乳をカップに出しました。ほんの1滴でも貴重なのだそうで、母乳トレーナーさんは1滴1滴大事そうに赤ちゃんの口へ移してくれました。

その後、何度か看護師さんや母乳トレーナーさんの指導の元、直接授乳をしてみようと試みますが、はっきり言って耐えがたいほどの激痛を伴います(∩´﹏`∩)

赤ちゃんの口があまりにも小さいことと噛み癖がすでにあり、その嚙む力がとてつもなく強いことで痛みを感じるのだとか。それはそれは・・・激痛で・・・それでも母乳トレーナーさんは容赦なく練習を繰り返すため・・・まぁ・・・本当に練習中、私は白目向いてたんじゃないかと思います。何度も「トライトライ、プラクティスプラクティス」と言われ、痛くて辛くて泣けてきた時もあり、でも赤ちゃんもお母さんもはじめてのことだから練習するしかないのよ!と。たしかにそうですね。

無事出産できてよかったよかったと安堵していたのに、産後にこんな試練が待ち受けていようとは。授乳=地獄。そんなレベル。産後しばらくしてから友人に聞いたり調べてみたところ、皆さん授乳にはかなり苦労されているようで、激痛は慣れるまで当たり前のことなんですね・・・母乳育児信仰の熱い日本では母乳育児に悩みノイローゼになる人もたくさんいるようですね。

授乳で産後すぐに乳首が切れて出血したり皮がズル剥けたり・・・これもなんてことない普通のあるあるなのだとか。何か月も激痛が続きつつも授乳している方もいるようで、激痛に耐えて1~3時間間隔の授乳で寝不足にもなり育児・・・家事・・・お母さんてすごい!と改めて思いました。

そんなこんなで入院中に特訓をしつつ・・・赤ちゃんは初乳だけでは足りないので混合希望の私はミルクをあげます。

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小児科の先生がたくさん提供してくれた使い捨て乳首をつけるだけの調合なしミルク。これがあまりにも楽で楽で。さっそくヘタレな部分が出てきて、もう母乳じゃなくてもいいんじゃないか・・・と気持ちが揺れました。

病院としては母乳を推奨しているため液体ミルクは注射器であげるようにとのことでしたが、小児科の先生としては哺乳瓶の乳首に早くから慣れさせないと後々哺乳瓶であげる時苦労するとのことで使い捨て乳首を使ってあげた方がいいとのことでした。なので私は、両方の意見を取り入れてどちらも使ってみました。いいんだか悪いんだか(笑)

母乳トレーニングも、来てくれるスタッフさんによって指導の仕方が違うことがあり、これはしない方がいい、こっちの抱き方の方が合っている、これじゃちゃんと咥えられない、と試行錯誤していただくので私は少し混乱気味に・・・。

そんな中、2日目の朝に来てくださった熟練母乳トレーナーさんが私のやる気を引き出してくださいました。

そのスタッフさんは退院する時間をかなりオーバーしても熱心に指導してくださいました。ただ多少荒っぽくてずっと激痛を伴いましたが、私の中の日本人的な真面目さが出たのとあまりの熱心さに引き込まれてしまったのです。私がとても真剣だったこともあって、こんなに聞いてくれるなんて本当に本当にうれしいわ。と何度も言っていました。というのもその激痛に耐えられず、もうこんなの無理だからミルク育児に切り替えますと言って多くの方が泣いて拒否するのだとか・・・。気持ちは分かる。本当に痛いんですよ・・・耐えました・・・いやNOと言えないだけか・・・。

母乳トレーニングが終わってからも育児についてお話してくれたり、もし何か困ったことや質問があったら電話するようにと電話番号をくれたり、小児科の先生は次は2週間健診の時に赤ちゃんを連れてくるように言っていたけれど、生後すぐに何かある場合もあって手遅れになるから2週間を待たずに小児科へ行った方がいいとアドバイスしてくれたり、本当に熱心であたたかく大変良くしてくださいました。

カピオラニ病院のスタッフさんには何十人とお世話になり、皆さん明るくやさしくいい人ばかりでしたがこの熟練母乳トレーナーさんのことが一番印象深くて、何年か経ってカピオラニ病院での出産のことを思いだした時にもきっと思い浮かぶだろうと思います。この方に指導してもらったおかげで退院後も激痛に耐えながら・・・なんとか慣れるまで練習を繰りかえすことができました。 本当に感謝です。